2レース開催となった前戦・鈴鹿大会では、ナビクルBuzz MK RACING のメインスポンサーである車査定・車買取サイト「ナビクル」の公式キャラクター『なびくるみちゃん』も駆けつけ、熱い声援を送った。その期待に応えるべく、チームは変化の激しいコンディションのなかでレインタイヤへの交換という大胆な戦略を敢行。
見事8位入賞を果たし、チーム発足以来のベストリザルトを獲得した。続く第5戦では、ドライバーのロマン・スタネックがライバルとの激しいバトルを繰り広げるなど、着実な成長を披露した。ドライバー、そしてチームの双方が確かな手応えを掴んだ鈴鹿大会を終え、その勢いをさらに加速させるべく、ナビクル Buzz MK RACING は怒涛の3レース開催となる富士大会へ挑んだ。
今大会を前に富士スピードウェイで実施された2日間の公式テストでは、全体的なグリップ不足に加えてブレーキングや各コーナーでタイムロスが発生するなど、多くの課題が浮き彫りとなった。スタネックも「クルマのポテンシャルを最大限に引き出せませんでした」と振り返り、我々にとっても決して満足のいく内容ではなかった。しかし、テストで得られたデータをもとにチーム全員で課題と向き合い、改善を重ねながら今大会へと臨んだ。大会初日の金曜日は、朝から夕方まで雨が降り続くウエットコンディションで、午後のセッションは赤旗終了となるなど、限られた走行時間での調整に。午前の走行では、序盤に「ステアリングに違和感がある」と訴えてピットイン。原因究明と修復に時間を要したことで走行はわずか6周にとどまった。
公式テストで十分な周回を重ねられなかった状況に続き、貴重なセッションで思うようにデータを蓄積できなかったことは大きな痛手となってしまった。
その流れを断ち切るべく、インターバルでステアリングトラブルの原因を早期に特定し、速やかに修復。午後のセッションではトラブルは改善されたが、天候不良もあり、10 周を走行することができず、セッション終盤は雨脚がさらに強まり、赤旗終了。限られた走行時間のなかで十分に周回を重ねることはできなかったものの、1 分35 秒060 を記録して13 番手につけ、順位以上にウエットコンディションではバランスも良く、確かな手応えを得ることができた。スタネックも「今日はかなり良いペースを見せられたと思います。間違いなくQ2 進出も狙えるし、ポイント獲得を目指して攻めることができると信じています」とと前向きに振り返った。一方で、ドライコンディションでの走行機会は得られず、公式テストから続く課題を踏まえると、セットアップをさらに煮詰める必要があった。変わりやすい天候が予想される週末に向け、限られたデータをもとに改善を重ね、予選と決勝へ向けた準備を進めた。
この日は朝から霧雨が降り続き、8時5分にはウエット宣言が出された。しかし、第6戦予選を前に徐々に霧が晴れ、セッションは定刻どおりスタート。ただ、水飛沫が上がるほどのウエットコンディションだったため、レインタイヤでのアタックとなった。Q1 A 組に出走したスタネックは、6 周目に1 分34 秒241 を記録。6 番手でなんとかQ2 へと繋げると、ウエット路面におけるセットアップに自信を持っていたスタネックが速さを見せる。3周目に新品タイヤへ交換すると、5周目には1分32 秒663 をマークして一時トップに浮上した。その後ライバル勢にタイムを更新されたものの、最終的に5 番手を獲得。チームとしてもスーパーフォーミュラ参戦後のベストグリッドを手にし、決勝へ向けてチーム全体の士気も大きく高まった。
第7戦予選を挟み、午後には第6戦決勝を迎えた。コンディションは回復傾向にあったものの、空は厚い雲に覆われ、スタート前には再び小雨が降る難しい状況。気温25度/路面温度29 度のなか、スタネックは好スタートを決めてポジションを4位へ上げた。序盤には再びウエット宣言が出され、場所によって路面状況が異なる難しいコンディションとなり、マネジメントに苦しみ先行を許すも、中盤頃まで6番手と上位をキープして見せた。ベストリザルト獲得が現実味を帯びる展開となった。しかし25 周を終えてピットに入り、いざポイント圏内で送り出そうと意気込んでいたが、タイヤ交換に手間取り、大幅なタイムロスが生じ、17 番手まで順位を下げることに。
スタネックも一時は悔しさを見せたものの、最後まで気持ちを切らすことなく走り切り、16 位でチェッカーを受けた。レース後には「序盤はいいペースで走れたのでポジティブな部分もあったけれど、前に進むための課題も見えました」と振り返っている。
ベストリザルト獲得も見えていただけに、チームとしても悔しさの残る一戦となった。毎戦全力を出し切って戦ってはいるが、トップカテゴリーのスーパーフォーミュラ参戦1年目ということもあり、これから多くの未経験なことやイレギュラーなことにも遭遇する場面が増えてくるが、今回の経験を活かし、どのような場面でもしっかりと確実に対応できるように、一歩一歩着実に体制を整えていくことを誓った第6戦だった。
第6戦予選終了からわずか1時間半。息つく間もなく迎えた第7 戦予選では、時折日差しが差し込むなか、路面の一部にウエットパッチが残る難しいコンディションとなった。それでも路面はドライへと回復し、各車スリックタイヤでのアタックに挑む。スタネックはアウトインでタイヤ交換を行ったが、タイヤのウォームアップ中に他者がスピンを喫したことで赤旗中断。セッション再開後は実質1周のみのアタック勝負となる厳しい展開のなか、1 分24 秒882 を記録したものの9番手にとどまり、Q2 進出とはならず18 番手グリッドが決まった。ドライコンディションでのセットアップや車体バランスには課題が残る結果となったが、決勝での巻き返しを目指し、データを分析しながら最後のセットアップ調整を進めた。
翌日に迎えた今大会最後の決勝は、ドライコンディションでのレースに。フォーメーションラップ中に他車がコースの広域にオイルを散布してしまい、赤旗中断という異例の展開に。それにより慌ただしい雰囲気に包まれたが、コース清掃が行われたのちに、セーフティーカースタートにて41 周のレースが開始された。
スタネックは18 番手から着実に周回を重ねたものの、後方スタートゆえのトラフィックに阻まれ、思うように順位を上げられない苦しい展開が続いた。
我々は、次戦以降も見据えたロングランデータの収集を目的に、ピットストップを遅らせる戦略を選択。28 周終了時点でタイヤ交換を行うと、スタネックはフレッシュタイヤのアドバンテージを活かして1 台をオーバーテイク。終盤は前方のマシンへプレッシャーをかける走りを見せたものの、あと一歩届かず19 位でチェッカー。結果こそ悔しいものとなったが、ドライコンディションでのロングランデータやセットアップに関する貴重な収穫を得ることができ、今後につながる1戦となった。
今回の富士大会では、チーム最高グリッド獲得という新たな一歩を刻むことができた一方で、あと一歩のところで結果を逃す悔しさも味わった。悔しさの残る結果ではあったが、チームとして改善すべき点と収穫の両方を得ることができた大会でもある。1大会3レースを戦い抜いたからこそ得られた経験と課題を糧に、次戦SUGO 大会に向けてチーム一丸となって準備を進めていく。
第6 戦の予選では、最高の予選結果を出すことができ、良いラップをまとめられたので本当に嬉しかったです。ただ、テストの時からロングランやドライ用のセットアップにはとても苦労していましたが、今大会も同様に課題はまだ多くあると痛感しました。改善を進めてくれていることを願っています。
決勝ではポジティブな部分もネガティブな部分もあるようなレースでした。自分の中でも成長を感じられた部分はありましたが、ミスが起こってしまうとすべてが悪い方向にいってしまうので、今後は自身も気をつけながら取り組んでいきたいです。次戦に向けては、さらにパフォーマンスを向上させないといけません。チームとともに準備を進めていきます。
今回は3レース開催ということもあり、チームとして多くの経験を積んだ大会となりました。ピットでのミスは、少しでも早くロマンをコースに送り出し順位を上げたいという一人一人の思いが逆方向に出た結果であり、チームとして真摯に受け止めています。また、SC 明けの追い越しについても同様、早く抜いて順位を上げたいというドライバーの想いが、冷静な判断を鈍らせ、目の前を見えなくしてしまったことが原因であり、再発防止に努めてまいります。失敗もシーズンを戦う上では新たな発見であり成長の糧です。ドライバー、エンジニア、メカニックを含めたチーム全員で経験を積み重ね、さらに成長していきたいと思います。
一方で、今大会では、クルマのセットアップの方向性が見えてきたことも大きな収穫でした。次戦SUGO 大会では、その成果を結果につなげ、予選と決勝ともに上位を目指します。今大会も我々「ナビクル Buzz MKRACING」のメインスポンサー様をはじめ、多くの関係者の皆様に温かいご声援をいただき、心より感謝申し上げます。引き続きどうぞ、応援のほど、よろしくお願いいたします。






